【在庫数大幅増!成約数減!17ヶ月連続成約価格上昇中!】2024年8月迄の湾岸エリア最新市況分析レポート
news
- お知らせ
- コラム
こんにちは!
ふじふじ太です!
2024年8月までの湾岸エリアの最新市況をまとめましたのでご覧ください。
結論、「成約数減・在庫数大幅増・成約価格増」となっております。
先月に続き湾岸エリアの成約価格は17ヶ月連続で上昇を記録しているものの、今までのイケイケ価格急上昇ムードとは様子が異なってきたように思います。
タイミング的にみて7月末の金利上昇の影響とみてほぼ間違いないでしょう。
市況を警戒し売却を急がれている方も一定数いらっしゃるようです。
いつも思うのは湾岸エリアは市場動向に大変敏感な方が多い気がします。
特に豊洲、晴海、勝どきエリアの在庫増が著しいです 特徴的だったの中央区のPT晴海、KTT、PTK、晴海フラッグを筆頭に特定マンションの大幅在庫増が目立ちます。
この初動は価格が落ち着く局面の動きでが、物件価格というものは株と違ってすぐには下がりません。
この傾向があと最低2ヶ月以上継続するなら、価格上昇にも一服感が出てくる可能性が高いとみております。
湾岸エリア全体市況まとめ:湾岸マンションアナリティクスより一部抜粋
物件価格について
2024年8月の湾岸エリアの平均成約坪単価は579万円となり、前月比で1.8%増と「上昇傾向」となります。
<2024年8月エリア別成約単価(前月比)>
豊洲:564万円(+0.7%) 9ヶ月連続上昇中
東雲:424万円(+3.7%) 4ヶ月連続上昇中
有明:485万円(+3.5%)3ヶ月連続上昇中
晴海:582万円(+4.0%)3ヶ月連続上昇中
勝どき月島:720万円(+2.4%)3ヶ月連続上昇中
ご覧の通り、全エリアで価格上昇中です。
相変わらず価格上昇を牽引しているのは、築浅のエリアナンバーワンタワマンでした。
<各マンション成約平均単価(先月比)>
ブランズタワー豊洲:776万円(+12.2%)
パークタワー東雲:504万円(+5.5%)
シティタワーズ東京ベイ:592万円(+4.6%)
キャピタルゲートプレイスザタワー:792万円(+4.7%)
ドゥトゥール:684万円(+6.2%)
パークタワー晴海:717万円(+3.9%)
パークタワー勝どき:866万円(+4.5%)
上記はエリア屈指のランドマークタワマンですが、どのマンションも大幅価格上昇を記録しております。
特にブランズタワー豊洲の伸びがえげつないのは、100㎡近い高層階が3億弱(坪1,000万円弱)で売れた影響が大きいです。
金利上昇が確定した後の取引事例ですが、このようなランドマークタワマンは相変わらずの人気の高さが伺えます。
逆に先行き不透明だからこそエリアのランドマークタワマンが盲目的に選ばれるという背景もありそうです。
在庫数について
全体在庫数は483戸で、前月比+20.4%と「大幅在庫増」です。
長らく市況を追っていますが、これほど在庫が激増したのは初めてみました。
データを分析していて何かの間違いかと思ったくらいです。
正直ここまで在庫が増えるのは予想外でした。
以下、エリア毎のデータとなりますのでご覧ください。
<2024年8月エリア別在庫数増減(前月比)>
豊洲:80件(+31.1%)
東雲:39件(+8.3%)
有明:49件(+6.5%)
晴海:196件(+18.1%)
勝どき月島:119件(+29.3%)
ご覧の通り、全エリアで大幅在庫増となっております。
特に豊洲、晴海、勝どき月島エリアが二桁台在庫が増加しております。
さらに深く紐解いていくと、大幅に在庫を増やしているマンションは以下の4つでした。
全体で俯瞰してみると、一部のマンションの在庫が大幅に伸びたというイメージです。
<在庫数(先月比)>
パークタワー晴海:25件(+38.9%)
晴海フラッグ:104件(+30%)
勝どきザタワー:27件(+50%)
パークタワー勝どき:50件(+28.2%)
市況を警戒し売却を急がれている方も一定数いらっしゃるのかもしれません。
が、募集価格自体はどこも強気価格が多いですね。
いつも思うのは湾岸エリアは市場動向に大変敏感な方が多い気がします。
普通に実需で住んでいたら、こんなにスピーディーに売り出すことはできないでしょう。
半住半投目線の方も多いという特徴もあるのだと思います。
特に晴海フラッグ、パークタワー勝どきは投資家層も多く購入していたマンションですので、賃貸ガチホ作戦から一旦利確で売却という動きも取りやすそうです。
成約数について
成約件55件で、前年同月比 -22.5%となります。
先月に引き続き、2024年に入って以降、最も成約件数が少ない月を更新しました。
<2024年8月エリア別成約数(前年同月比)>
豊洲:12件(-42.9%)
東雲:7件(-30.0%)
有明:10件(-41.2%)
晴海:19件(+26.7%)
勝どき月島:7件(-12.5%)
晴海エリア以外すべてのエリアで成約数が減少しております。
上のデータを並べると晴海エリアは成約件数が多いように見えますが、昨年よりも圧倒的に募集件数が増えている中での成約件数ですので、在庫数に対する回転率という点では非常に低い水準です。
回転率は以下の通りです。
<エリア毎の8月成約回転率(対在庫数比)>
豊洲:15.0%
東雲:17.9%
有明:20.4%
晴海:9.6%
勝どき月島:5.8%
在庫比で見ると、8月は中央区がかなり苦戦しているということがわかります。
要因としては二つあると思っています。
中央区については新築マンション含めた再開発の期待感も高いという点で成約相場よりもかなり上値を狙った募集が継続しているものの、金利上昇に伴う警戒感が出たことで、一旦踏み留まっているという点。
そしてもうひとつは、新築豊海タワーの販売開始です。
長らく延期されていた話題の新築の販売が再開したことで、中古ではなく新築狙いに切り替えた方も一定数いらっしゃるのだと思います。
もっと言うと来月10月は豊海タワーだけでなく、いよいよ晴海フラッグスカイデュオの最終期の抽選も始まりますので、万が一当たるかもしれませんから、その結果を待ってから動き出そうとされる方も多いと思います。
上記のような複合的な要因で、中央区の方が極端に成約数が落ち込んでいると分析しております。
実は成約件数が落ち込んだのは、金利どうこうではなく、この新築販売開始・抽選が近いという要因の方が大きいような気がしております。
なぜなら、私が現場でやり取りをしている感覚ですが、私に相談にきている方で金利上昇を理由に購入検討をやめた方は一人もいらっしゃらず、何なら新規の購入相談も多く頂いており、購入意欲が落ち込んでいるようには感じないからです。
総評
先日Xで市況速報という形で投稿しましたら、多くの反響を頂きました。
その中でコメントが真っ二つに割れている点が興味深かったです。
それは「おわりのはじまり派」と「今こそ購入のチャンス派」の二大派閥が生まれていた点です。
読者の皆様はいかがお考えでしょうか?
ちなみに私は「今こそ購入のチャンス派」です。
今後価格がどうなるかはわかりませんが、今までの湾岸エリアの中古購入の難易度を知っている私からすると、在庫が増えて選択肢が増えて、結果不動産業者の囲い込みも減っていくことはむしろ適正だと思います。
今までは圧倒的な在庫不足で、売主さんまたは売主担当業者が無双状態の受給バランスでしたので、それは多少是正されて然るべきかなと。
今までのようにたった1年で3割価格が上昇するような市況の方が異常でした。
よって、個人の見解として「おわりのはじまり」とは特に思っていません。
「ふつうのはじまり」という感覚です。
今湾岸エリアで物件を探されている方は共感頂けると思いますが、今でも相場に近い募集があったら瞬間蒸発しています。
湾岸エリアの将来の再開発における期待感と居住性の高さは揺るぎないです。
そもそも新築価格が高止まりしている以上、中古価格が大幅に下がるということも考えにくいです。
マンション価格の決定要素として、「新築価格」と「受給バランス」の2軸がありますから。
今後もし在庫増・成約数減の傾向が数ヶ月続くなら、今までのような急激な上昇ではなく、「緩やかな上昇、または踊り場」のフェーズに突入していく可能性も十分考えられます。
これから日銀が政策金利をぐいぐい上げていくとなると話は別ですが、今回の「植田ショック」をみても日銀は利上げに慎重にならざるを得ないと思います。
また、前述の通り湾岸エリアは豊海タワーなど新築の供給があり、「新築当たるかも期待感」によって中古検討をストップしている方も多くいらっしゃいます。
それがまさに今このタイミングです。
よって、10月以降抽選に外れた方が一斉に中古に流れるという可能性も十分に考えられますので、そういう意味でも「ライバルが少なく選択肢が多い今このタイミングこそ購入のチャンス」と思っています。
今までの歴史を振り返ると、晴海フラッグの抽選が終わる前後のタイミングでどっと近隣の中古が売れるというのはもはや周知の事実でしょう。
上記ご参考にして頂き、後悔のない決断をして頂ければと思います!
湾岸エリアの現場の取引の過熱度は、こちらのコラムや湾岸マンションアナリティクスを見れば一目瞭然です。これが現場の事実ですので、ファクトチェックにお役立てください。
本日は以上となります。
ご講読頂きありがとうございました!
マンション購入・売却のご相談は以下よりお待ちしております!
是非お気軽にご相談ください!